田中 功起:「ひとつの詩を5人の詩人が書く(最初の試み)」2013年

 

 

14 Dec 2019 – 19 Jan 2020

 

 

会期:20191214日(土)– 2020119日(日)

レセプションパーティー: 2020年1月18日(土)18:00-20:00

開廊時間:木・金  12:00-19:00、土・日  12:00-18:00

定休日:月・火・水、2019年1230日(月)– 2020年18日(水)

会場:青山目黒 〒153-0051 東京都目黒区上目黒 2-30-6


展示機材協力:キヤノンマーケティングジャパン株式会社

デザイン:川村格夫

翻訳:鷗田かつみ

 

 

上映開始時間 見込(上映時間:約68分)

1回目 12時00分
2回目 13時10分
3回目 14時20分
4回目 15時30分
5回目 16時40分
6回目(木金のみ)17時50分

 

 

鑑賞への呼びかけ

この映像作品「ひとつの詩を5人の詩人が書く(最初の試み)」は2013年作で1時間におよびます。
グループ展等で紹介されたことはありますが、はたしてどれくらいの人がこの作品を認識したのでしょうか。

映像の長さがまず人を選んだのかもしれません。それ以外にも主題の設け方、内容がそうさせているところもあると思います。
正直にお話ししますと私自身も当時から割と最近まで気後れしていました。
何度見ても良い作品だと思いながら、作者、関わる人々の深刻さ、神妙さに息が詰まるような思いもしていたのです。

それは人と人が集まり関わることの難しさ、相手を敬い、耳を傾けながらも主張し、あるいは譲り、それぞれが最善を尽くそうと努めている。それでもその実践が必ずしも上手くいくとは限らない。その様子が真剣で、しかもあまりにも詳らかに映像に留められていて、それが独特の気まずさとして、あるいはもどかしさとして、受け止めきれなかったのかもしれません。
そこでの注意深い振る舞いには、下手な所感などうっかり口に出せない圧がありました。(勝手にそう思っていたのかもしれません)。

それでも田中功起は、さらにこの方向性を、より強く、推し進めていきます。

当初の「失敗も終わりもない」から、次に展開した「偶然と必然のミックス(それでも成功する可能性が五分五分)」、そこからの「失敗する可能性大(例えば「不安定なタスク」のシリーズなど)」の設問へ、その頃、田中は大きく移行した気がします。

例えば、本は読みやすければ良い、お酒は飲みやすければ良い、ばかりではないと思うのです。

同時に田中の作品を展示したい、という気持ちがいつもありました。何度も企画・設定しては何かがかみ合わず、実施にいたりませんでした。

今夏、あいちトリエンナーレがありました。
そこでの新作「抽象・家族」は一層手間をかけた下準備と設計によるプロジェクトでした。その設計の影響は、画作りだけでなく、映像のための絵画や展示構成にも、あるいは会期中に複数回開かれた集会(アッセンブリー)でも、そこで参加者から引き出された普段聞くことのない言葉や身振りにさえも、表れていました。

そして会期が始まってまもなく起きた「表現の不自由展、その後」の閉鎖。それを受けての田中による声明と「展示の再設定」という名のボイコット、そして会期終盤近くでの「不自由展」再開にともなう展示再開。

あいちトリエンナーレに展示されていたそれぞれの作家たちの作品と状況の変化して行く中で、作家それぞれの態度(表明)と個々の作品は、同じ人間から発せられたものだとしても、本来なら切り放せる別物でもありえたはず。それでも態度と作品は相互干渉しつづけ、その状況に共感しつつも、戸惑いながら、私自身の受け止め方にも、多くの観客や関心を寄せた人がそうだったように、おそらく影響がある。他方で、そういうことを抜きに、実際に会場に足を運んで作品巡りを楽しんでいた方もいた。

私たちは同じ場所にいても違う景色を見ている。事実は事実なのにこんなにも捉え方は異なる。

その現場で、今回の映像こそ、今、ギャラリーで展示すべきだと思いました。
改めてこの映像を見るとずっとそうだと思っていた気まずさは感じられなくなりました。
価値観や相性の異なる人と時間を共に過ごすことは普段から大なり小なりあります。
そういう場での、互いの向き合い方や距離のとり方、取り組みの強弱や立ち居振る舞いも、この作品の中に見つけることができます。

そっとひとりで見ることもできますし、誰かと共に訪ねてくることもできます。一度目で時間がなければ、再訪してもいい。
この機会に、この作品にお訪ねいただくことをお待ちしております。

青山目黒 青山秀樹

Installation view, 田中 功起:「ひとつの詩を5人の詩人が書く(最初の試み)」2013年

 

田中 功起 参加:青森EARTH2019:いのち耕す場所-農業がひらくアートの未来(青森県立美術館)

 

 

5 Oct – 1 Dec 2019

 

 

会期:2019年10月5日(土)-12月1日(日)
休館日:10月15日(火)、28日(月)、11月11日(月)、25日(月)
開館時間:9:30 - 17:00 *入館は閉館の30分前まで
会場:青森県立美術館 青森市安田字近野185
観覧料:一般1,500円(1,300円)、高大生1,000円(800円)、小中学生無料
※( )内は前売券及び20名以上の団体料金
※障がい者手帳をご提示の方とその付添者1名は無料
主催:青森EARTH2019展実行委員会(青森テレビ、青森県観光連盟、青森県立美術館)

More info: http://www.aomori-museum.jp/ja/event/88/

 

 

青森の大地(EARTH)に根ざしたアート(ART)の可能性を探究するシリーズ企画「青森EARTH」。今回のテーマは「農業」。大地を耕し地域の食や社会を支える農業をヒントに、人が生きる力を養う術(アート)として芸術を紹介する展覧会「いのち耕す場所」として開催します。
三方を海に囲まれ、奥羽山脈が中央を二分する青森。ここで人々は厳しくも豊かな大地をひたむきに耕し、固有の技術や農作物を得ることをとおして、今日まで互いの「いのち」をつないできました。本展はそんな青森の農業にまつわる章構成のもと、農業の現場を取材して制作された現代アーティストの新作を中心に、近代の芸術家の作品、青森の子ども達の版画作品、農具や「農の思想家」安藤昌益らの仕事をジャンル横断的に紹介します。
本展において農業と融けあう芸術は、人と自然を等しく活かす術(アート)ともなり、それらを展示する美術館は地域に根ざした「いのち耕す場所」として生まれなおすことになるでしょう。様々な危機に揺れる今日の世界で、本展が地域からアートの可能性を広げるための視座となれば幸いです。

 

 

展示構成および参加アーティスト

セクション1 ひと玉のりんごから
青森のりんご栽培取材をもとに「普遍的な林檎」を育てる、雨宮庸介による壮大なアートプロジェクトを紹介します。
参加アーティスト:雨宮庸介(アーティスト)

セクション2 土と心とを耕しつつ -「農民芸術」いまむかし
東北の詩人・宮沢賢治や青森出身の思想家・江渡狄嶺の農業と芸術を一致させる「農民芸術」的思想をヒントに思索と耕作、制作をつなげ、農業との交わりから生まれる「アート」の過去と未来を考える場をつくります。
参加アーティスト:江渡狄嶺(青森出身の近代思想家)、ジョン・ラスキン(社会思想家/美術評論家)、ジャン=フランソワ・ミレー(画家)、常田健(画家/農民)、ザ・ユージーン・スタジオ(アーティスト)、岩名泰岳(画家)、青森の農具

セクション3 透きとおる農地で
青森を始めとする世界の農地の「いま」を取材したアーティストの作品を紹介します。
参加アーティスト:リ・ビンユアン(アーティスト)、丹羽良徳(アーティスト

セクション4 「余地」を育む -集まってつくること、耕すことの間で
青森の子どもたちが土地の開拓や農業をテーマに集団で制作した版画作品とともに、他者との協働をテーマにした現代アーティストの作品を紹介。これからの社会を育む「余地」について考察する場をつくります。
参加アーティスト:青森の教育版画、田中功起(アーティスト)

セクション5 いのちの根、満ちる大地
青森ゆかりの思想家にして医師・安藤昌益の米にまつわる思索をヒントに、人間と自然との新しい関係の結び方を模索し、それらをもとに芸術の未来を考える場をつくります。
参加アーティスト:安藤昌益(青森ゆかりの近世思想家)、オル太(アーティストコレクティブ)、久保寛子(アーティスト)、塚本悦雄(彫刻家)、浅野友理子(画家)、大小島真木(画家)+アグロス・アートプロジェクト、三原聡一郎(アーティスト)

 

《抽象・家族》 2019

 

田中 功起 参加:あいちトリエンナーレ2019  情の時代(愛知芸術文化センターほか、愛知)

 

1 Aug – 14 Oct 2019



会期:2019年8月1日(木)~10月14日(月・祝)[75日間]

主な会場:
愛知芸術文化センター
名古屋市美術館
名古屋市内のまちなか(四間道・円頓寺)
豊田市(豊田市美術館及び豊田市駅周辺)

テーマ:情の時代

企画体制:
芸術監督:津田大介(ジャーナリスト/メディア・アクティビスト)
企画アドバイザー:東 浩紀
チーフ・キュレーター(学芸統括):飯田志保子
キュレーター(国際現代美術展):能勢陽子、ペドロ・レイエス、鷲田めるろ
キュレーター(映像プログラム):杉原永純
キュレーター(パフォーミングアーツ):相馬千秋
キュレーター(音楽プログラム):大山卓也
キュレーター(ラーニング):会田大也
コンサルタント:ホウ・ハンルゥ
公式デザイナー:前田豊
 

主催:あいちトリエンナーレ実行委員会

More info: https://aichitriennale.jp/index.html

 

あいちトリエンナーレは、2010年から3年ごとに開催されている国内最大規模の国際芸術祭です。4回目となる2019年は、国内外から80組以上のアーティストを迎えます。国際現代美術展のほか、映像プログラム、パフォーミングアーツ、音楽プログラムなど、様々な表現を横断する、最先端の芸術作品を紹介します。

 

 

田中功起 作品 展示会場:愛知県美術館(愛知芸術文化センター 10F)
https://aichitriennale.jp/artwork/A11.html

 

田中功起 映像上映/アッセンブリー『抽象・家族』

①日時:9月7日(土) 19:00〜

会場:愛知県美術館(10階)
上演時間:120分(予定) 
上演言語:日本語 
チケット料金:1,300円

*未就学児はご入場いただけません 
*当日の様子は撮影され、作品の一部となる予定です。ご了承のうえ、ご参加ください。 
詳細:https://aichitriennale.jp/artwork/A70.html

②日時:9月21日(土)16:00〜

会場:豊田市美術館 講堂 
上演時間:120分(予定) 
上演言語:日本語 
チケット料金:1,300円

*未就学児はご入場いただけません 
詳細:https://aichitriennale.jp/artwork/T61.html

 

 

あいちトリエンナーレ 2019年8月25日 お知らせ
田中功起氏の展示の「再設定」について
https://aichitriennale.jp/news/2019/004079.html

 

8/18(日)に参加アーティストの田中功起氏から、「表現の不自由展・その後」の展示中止に際し、8/12(月)に海外アーティストが発表したステートメントに署名し、出展作品《抽象・家族》の再設定を行いたいとの申し出がありました。担当キュレーター及び事務局との協議を経て、以下のとおり9/3(火)より展示の再設定を実施することとなりました。

再設定の内容:

1)通常展示の中断(展示室の扉が半分閉ざされ、展示室内への入場ができなくなります)。

2)展示室入り口にて、来場者への手紙(映像室内で上映されていた映像閲覧リンクを含む)及び作品の一部であるアーティストノートを配布。

3)パフォーミングアーツ・プログラムとして予定されていたエクステンション企画(アッセンブリー*)は当初のとおり開催。(9/7(土)19:00-愛知県美術館、9/21(土)16:00-豊田市美術館)

4)上記以外に、会期中毎週土曜日(9/14、9/28、10/5、10/12)14:00-18:00にアッセンブリーを開催する予定。参加方法等詳細は9/10(火)までにあいちトリエンナーレの公式Webサイトにて発表いたします。

*アッセンブリーは《抽象・家族》の展示室内で行う集会です。その場に集まった来場者は集団で展示を鑑賞し、作家や出演者を含む他の参加者とともに、作品が問いかける問題について対話を行います。

あいちトリエンナーレ実行委員会は、田中氏の意向を真摯に受け止め、申し出を尊重するとともに、アッセンブリーにお集まりくださる来場者の皆様とともに、作品が提起する差別や排除の問題、現在のあいちトリエンナーレを取り巻く諸問題について思考し、対話する場を開いてまいります。

 

 

展示の再設定のための、遅れたステートメント

「表現の不自由展・その後」閉鎖をめぐる問題は、当初「リスク管理」をめぐる組織運営の問題であった。しかし、いま現在の状況は、大村秀章愛知県知事と津田大介芸術監督による、「安全性」の名の元に行われる自己検閲へと徐々に問題がスライドしてきていると、ぼくは思う。第三者委員会を設けることによって迅速な「表現の不自由展・その後」再開への道が開かれるというのは方便であって、むしろそれによって遅延が行われている。事務局はさまざまな煩雑な問題の処理によって日々の運営を忙殺されていると聞く。そもそも事務局内での各部署の連携はどの程度できているのか、ぼくには分からない。全ての事柄を把握することは難しいし、細部は入り組んでいる。

しかしはっきりしていることがある。それは、組織作りの不備と対処方法への準備不足であった問題が、「テロ予告や脅迫との戦い」という大きなフレームによって焦点がぼかされ、それによって覆い隠されたのは、政治家たちによる歴史の否定であり、検閲を匂わせる発言であり、人びとの差別感情を煽る言葉たちである。それらはこれからの「表現の自由」をも奪うきっかけとなるだろう。

ぼくは、このような現状を追認するためにいままで活動を続けてきたわけではない。これは私たちの問題であり、ここで行われるさまざまな選択と行動は、未来の誰かにも深い影響を与えることになる。

この状況に抗議し、自分たちの問題として考えるためには、展示自体のフレームを再設定することが必要であるとぼくは思う。ぼくが行うのは「一時停止」ではなく、「展示」をパフォーマティブにすることである。今回のぼくのプロジェクトは、フィクショナルな単一民族としての「日本人」像を解体し、出演者たちが曝されてきた差別について、観客が耳を傾ける行為を促すものであった。そこで、もともとは展示の拡張として構想されていたあいちトリエンナーレの中でのパフォーミング・アーツ枠による二日だけのエクステンション・イベントを、毎週末の集会としてより拡張し、展示空間で行う。映像を通して出演者たちの声を聞き、そこで語られたこと/語れなかったことを考え、彼ら/彼女たちの言葉をガイドにして、観客同士がお互いに話せる場所にする。展示としての機能(開館時間内にランダムに行き来ができる鑑賞形式)は制限される。しかし限定された時間の中で「展示」を「集会化」する。これが、現在のあいちトリエンナーレが置かれている状況への、ぼくの暫定的な応答である。

田中功起
2019年8月21日

 

ウェブ版美術手帖 関連記事:https://bijutsutecho.com/magazine/news/headline/20408

 

 

Koki Tanaka, Vulnerable Histories (A Road Movie), Courtesy of the artist, Vitamin Creative Space (Guangzhou), Aoyama Meguro (Tokyo)

 

田中 功起 参加:シアターコモンズ ’19

 

田中功起「可傷的な歴史(ロードムービー)」

映像上映|アッセンブリー

 

上映日程
2月22日(金) 19:00
2月23日(土) 19:00
2月24日(日) 13:00

会場|ゲーテ・インスティトゥート 東京ドイツ文化センター
〒107-0052 港区赤坂7-5−56

※各日ともに、映像上映の前後にゲストを交えた対話の場 (アッセンブリー) を設定し、参加者とともに鑑賞経験を共有します

映像上映|英語 (日本語字幕つき)アッセンブリー|日本語

上演時間|150分

 

排除や差別を超えて、それでも「共に生きる」ために──。
田中功起による「傷つきやすい」ロードムービー、日本初公開。

異なる人々が「共に生きること」の可能性や限界について、仮構の共同体を組織して撮影する手法で探求するアーティスト、田中功起。私たちは他者と出来事や経験を共有することは可能なのか。田中が向き合い続けてきたこの問いは、世界中で排外主義やポピュリズムが高まる今日、より切実さを増している。

2018年にミグロ現代美術館で発表され今回日本初公開となる本作(シアターコモンズ・短縮編集バージョン)は、「共に生きる」権利を侵されてきた人たちの側から、この問いにさらに踏み込こむものだ。東京に暮らす在日コリアン3世とチューリッヒから来た日系スイス人。田中によって引き合わされた実在の「登場人物」たちは、ともに東京や川崎を旅し、在日コリアン排斥の痕跡を辿りながら、それぞれの経験、思考、感情をもとに対話を重ねていく。この淡々と美しく、残酷で傷つきやすいロードムービーの果てに、私たちは、「それでも共に生きる」ための希望を見出すことができるのか。

今回のシアターコモンズでは、映像上映の後にゲストを交えた対話の場(アッセンブリー)を設定し、集団での鑑賞経験の共有を試みたい。

プロフィール

田中功起(たなか・こおき)
1975年生まれ。出来事の組織化や集団による営み、その記録に興味を持ち、それにまつわる制作活動を行っている。2013年、第55回ヴェネツィア・ビエンナーレ国際美術展の日本館における展示で特別表彰を受賞。近年の展覧会に「共にいることの可能性」(水戸芸術館、2016年)、「Vulnerable Histories (A Road movie)」(ミグロ現代美術館、2018年)など。2017年ミュンスター彫刻プロジェクト参加。

 

クレジット

構成・演出|田中功起

キャスト|チョン・ウヒ、クリスチャン・ホファー
プロジェクトアドバイザー・講師|ハン・トンヒョン
講師|西崎雅夫(社団法人ほうせんか)
法律アドバイザー|明戸隆浩
事前勉強会講師|山本唯人(東京大空襲・戦災資料センター)

撮影監督|青山真也
録音・整音|藤口諒太
制作|田中沙季
英語字幕|ディーン島内翻訳事務所
法律翻訳|東久保麻紀
助成|アーツカウンシル東京(東京都歴史文化財団)

製作|ミグロ現代美術館

協力|青山目黒、ヴァイタミン・クリエイティブ・スペース

 

シアターコモンズ ’19
会期|2019年1月19日(土)、20日(日)、2月22日(金) – 3月13日(水)
会場|東京都港区エリア各所
参加方法|要予約・コモンズパス提示
※全演目に参加可能のコモンズパスの購入・参加希望の公演の予約が必要です
コモンズパス料金|一般 \4,800、学生 \3,500、港区民 \4,500
主催|シアターコモンズ実行委員会

More info| https://theatercommons.tokyo/

 

 

田中功起 参加:カタストロフと美術のちから展(森美術館、東京)

 

6 Oct 2018 – 20 Jan 2019



六本木ヒルズ・森美術館15周年記念展 
カタストロフと美術のちから展

会期:2018.10.6(土)- 2019.1.20(日) 
会期中無休
開館時間:10:00-22:00(最終入館 21:30)
※火曜日のみ17:00まで(最終入館 16:30)
※ただし2019年1月1日(火・祝)は22:00まで(最終入館 21:30)
会場:森美術館(六本木ヒルズ森タワー53階)
料金:一般  1,800円
学生(高校・大学生)1,200円
子供(4歳~中学生)600円
シニア(65歳以上)1,500円
More info: https://www.mori.art.museum

 

参加アーティスト&プロジェクト:
シヴァ・アフマディ
アイ・ウェイウェイ(艾未未)
ミロスワフ・バウカ
坂 茂
ミリアム・カーン
CATPC&レンゾ・マルテンス
シェバ・チャッチ
Chim↑Pom
トーマス・デマンド
クリストフ・ドレーガー
藤井 光
フェリックス・ゴンザレス=トレス
畠山直哉
モナ・ハトゥム
平川恒太
トーマス・ヒルシュホーン
堀尾貞治
ハレド・ホウラニ
ホァン・ハイシン(黄海欣)
HYOGO AID ’95 by ART(*1)
池田 学
アイザック・ジュリアン
ヒワ・K
加藤 翼
オリバー・ラリック
エヴァ&フランコ・マッテス
宮島達男
宮本隆司
オノ・ヨーコ
ジョルジュ・ルース
カテジナ・シェダー
ヴォルフガング・シュテーレ
ヘルムット・スタラーツ
スウーン
高橋雅子(ARTS for HOPE)
武田慎平
田中功起
ジリアン・ウェアリング
米田知子
ムハマッド・ウチュプ・ユスフ

(*1)「HYOGO AID ’95 by ART」参加作家(姓のアルファベット順)
赤瀬川原平、靉嘔、堂本尚郎、細江英公、今井俊満、加納光於、菊畑茂久馬、草間彌生、李禹煥、前田常作、森山大道、元永定正、中西夏之、奈良原一高、野田哲也、岡本信治郎、篠原有司男、白髪一雄、高松次郎、東松照明、山田正亮、横尾忠則、吉原英雄

 

 

東日本大震災やアメリカ同時多発テロ、リーマンショックなど世界各地で絶えず発生するカタストロフ(大惨事)。多くのアーティストがこのような悲劇的な災禍を主題に、惨事を世に知らしめ、後世に語り継ごうと作品を制作しています。その私的な視点による記録は、マスメディアの客観性を重んじる記録とは異なり、多勢の世論の影に隠れて見えにくくなったもう1つの事実を私たちに提示します。そこにはまた、社会の矛盾や隠蔽された問題の可視化を意図するものや、個人的な喪失や悼みを表現するものもあります。

カタストロフは私たちを絶望に追い込みますが、そこから再起しようとする力は想像力を刺激し、創造の契機となることもまた、事実なのではないでしょうか。東日本大震災以降、国内外の数多くのアーティストが復興・再生への願いを込めて理想や希望を描き、より良い社会のために新しいヴィジョンを提示しようと試みています。

戦争やテロ、難民問題や環境破壊など、危機的な問題が山積する今日において、美術が社会を襲う大惨事や個人的な悲劇とどのように向き合い、私たちが再生を遂げるためにどのような役割を果たすことができるのか。本展は、負を正に転ずる力学としての「美術のちから」について注目し、その可能性を問いかけます。

Koki Tanaka, Vulnerable Histories (A Road Movie), 2018, production photo. Courtesy of the artist, Vitamin Creative Space (Guangzhou), Aoyama Meguro (Tokyo)

 

Koki Tanaka: Vulnerable Histories (A Road Movie) (Migros Museum, Zurich)

 

25 Aug – 11 Nov 2018

 

August 25–November 11, 2018
Opening: Friday, August 24, 2018

 

http://www.migrosmuseum.ch/en/exhibitions/annual-program/koki-tanaka-vulnerable-histories-a-road-movie/

 

Visitor address
Limmatstrasse 270
CH–8005 Zurich
Directions

Mailing address
Postfach 1766
CH–8031 Zurich
Tel +41 44 277 20 50
Fax +41 44 277 62 86
info(at)migrosmuseum.ch

Opening hours
Tue/Wed/Fri 11 am–6 pm
Thu 11 am–8 pm
Sat/Sun 10 am–5 pm
Public Holidays

Admission
Adults: CHF 12
Reduced: CHF 8
Thu 5-8 pm: Free admission
More

 

 

In view of the worldwide rise of nationalism, populism, and xenophobia, the artistic social studies of Koki Tanaka (b. Tochigi, Japan, 1975) focus on how we live together in societies. Realized especially for his exhibition at the Migros Museum für Gegenwartskunst, the project Vulnerable Histories (A Road Movie) (2018) focuses on an example from Tanaka’s native country, the mutual incomprehension and mistrust between Zainichi Koreans and ethnic Japanese, to plead for vigilance when it comes to racism and discrimination. The project centers on a series of conversations in various settings between two protagonists who have not met before. Shadowed by the artist and his camera team, they travel to several locations in Tokyo to grapple with questions of (their own cultural) identity and how to take a stand against the simplistic and selective worldviews of racist groups. The films that grew out of the project illustrate that coexistence and mutual appreciation are possible if we talk to each other: private as well as public conversations are key. The exhibition provides a framework for continuing the exchange of ideas Tanaka initiates. “Live speakers”—representatives of the art and academic worlds whom visitors are encouraged to approach—will be available for the entire duration of the presentation to foster further discussion in a variety of formats.

The exhibition is curated by Heike Munder, director, Migros Museum für Gegenwartskunst, and is the artist’s first solo show in Switzerland. An accompanying monograph will be released by JRP|Ringier during the second half of 2018.

Koki Tanaka lives and works in Kyoto, Japan. His work has been presented around the world, with recent exhibitions at the Kunsthaus Graz (2017), the Deutsche Bank KunstHalle, Berlin (2015), the Van Abbemuseum, Eindhoven (2014), the National Museum of Modern Art, Kyoto and Tokyo (2013), the Museum of Art, Seoul (2013), the Hammer Museum, Los Angeles (2012), the Taipei Contemporary Art Center (2012), Centre A, Vancouver (2010), the Hara Museum of Contemporary Art (2009), the Palais de Tokyo, Paris (2007), and elsewhere. Tanaka officially represented Japan at the 55th Venice Biennale in 2013 and was Deutsche Bank’s Artist of the Year in 2015. In 2017, he participated in Skulptur Projekte Münster and the 57th Venice Biennale.

Supported by Arts Council Tokyo (Tokyo Metropolitan Foundation for History and Culture)

 

時間の形式、その制作と方法
──田中功起作品とテキストから考える

 

9.3 – 30, 2017

 

2017年9月3日(日)-9月30日(土)
水-土: 12:00-19:00
日: 12:00-18:00
会期中定休日: 月・火・祝日
 
 
企画: 上妻世海
デザイン: 石塚俊 
 
 
 
○本展について
 
田中功起は2013年に第55回ヴェネツィア・ビエンナーレで特別表彰を受賞し、2015年にドイツ銀行が選定するアーティスト・オブ・ザ・イヤーを受賞するなど、日本だけでなく海外からも最も注目されるアーティストの一人であり、『関係性の美学』以降における現代美術の代表的人物とみなされている。そして、重要なアーティストには当然のことであるが、彼の作品群には既に多くの批評が寄せられており、その中で多くの場合、「現象から行為へ、そして共同性へ」といった整理がなされている。よって、多くの人々には僕のような権威もなにもない若手キュレーターが評価が定まりつつある作家の展覧会を企画することの意味が理解できないかもしれない。

しかし僕にとって、田中功起は、作品を制作するだけでなく、数多くの興味深いテキストを残しており、しかも批評的にも重要な論点を展開している作家であった。そして、そのテキストの熱心な読者であった僕は、彼の内在的な視点から彼の作品群を解釈していて、当時、曖昧ながら、「現象から行為へ、そして共同性へ」といった解釈ではなく、別の仕方で解釈しうるのではないかと考えていた。言い換えれば、田中は彼自身の目的とは違った仕方で解釈されており、田中自身の問題意識とその解決方法を整理することで、本来的な、しかし新しい論点が描き出せるのではないかと考えていたのである。

上記の関心から、僕はこの展覧会を企画する上で、まず彼の最初期の作品群と膨大なテキストを読解することにした。そして、その読解を媒介に彼の根底に流れる思想と態度を明示的に記述することにした。それは彼の制作と思考の痕跡を辿る旅であり、その記述によって示された場所から再度彼の作品群を現在まで振り返ることで、彼が志向していた作品の可能性を最大限拡張することを可能にした。

そして、幸運なことに、この作業は彼の制作と方法について記述するだけでなく、同時に、僕自身の制作と方法についても思考を促した。何故なら、彼が真摯に向き合ってきた「制作者」と「鑑賞者」と「作品」の視点の差異、そして「作ること」と「作品」と「見ること」の関係の在り方は、「時間の概念」をある条件のもとで限定し、別の条件のもとで拡張するのであるが、それはこれまで僕が思考してきたことの近傍に位置しており、それらは響きあい、僕自身にも大きな変容をもたらしたからである。

田中は2000年に野比千々美という別名義で「世界‐速度の変容–コンセプチュアル・アートの<遅さ>をめぐって」というテキストを発表し、第3回[武蔵野美術]評論賞を受賞している。彼は、その中で、現代社会について分析し、「断絶」と「脅迫」という二つの問題点を浮かび上がらせ、それに対する一種の抵抗装置としての「作品」を考えていた。その問題点は、2017年現在、当時よりも重大な問題へと膨れ上がり、彼の作品と方法から学ぶべきことは増しているように思える。しかし、彼の「作品」は彼の意図すらも越えて多様な見方を許容するだろうし、テキスト内で示すように、複数の時間軸の中で各々異なる解釈を生み出していくだろう。もちろん、僕の解釈も、作品の持つ時間軸に対してみれば、部分的な小さい(そして大きい)ものにすぎない。しかし、僕の試みによって、固着してしまうかもしれない一つの視点と関係のあり方が解放され、その場に無数の時間の形式が見いだされ、様々な視点から彼の作品が別の関係のあり方へと生成していくのであれば、それ以上に嬉しいことはない。


上妻世海

 
 
 
 

 

Koki TANAKA: 57th Biennale di Venezia | Viva Arte Viva (Venice, Arsenale)

 

5.13 – 11.26, 2017

 

curated by Christine Macel

Exhibition venues: Giardini and Arsenale

Date: May 13 – November 26, 2017

Opening: May 10, 2017
Vernissage: May 10th – 11th – 12th 2017
Official Opening and Award Ceremony: May 13th 2017

 

We are delighted to share that Koki Tanaka is participating in the 57th Venice Biennale:
His work is part of the main exhibition VIVA ARTE VIVA, curated by Christine Macel.

More info:
http://www.labiennale.org/en/art/index.html
Preview programme
Download brochure and maps

kokitanaka_SkulpturProjekte2017

Koki Tanaka Provisional Studies: Workshop #7 How to Live Together and Sharing the Unknown 2017, (c) Skulptur Projekte 2017  photo: Henning Rogge

 

Koki TANAKA: Skulptur Projekte Münster 2017(Münster, Germany)

 

6.10 – 10.1, 2017

 

Skulptur Projekte 2017


LWL-Museum für Kunst und Kultur

Domplatz 10
48143 Münster


Date:
10 June to 1 October 2017

Opening hours
Mon. – Sun. 10 a.m. to 8 p.m.
Fri. 10 a.m. to 10 p.m.

Free admission
 

 

kokitanaka_SkulpturProjekte2017_2

Koki TANAKA

Provisional Studies: Workshop #7 How to Live Together and Sharing the Unknown, Skulptur Projekte 2017



Material

Action and workshops, installation of the video documentation in four rooms

Location

Johannisstraße 18/20,
48143 Münster
access via the passage between Johannisstraße 18/20 and 21, oppositeAegidiimarkt


Accompanying booklet available on-site


Participants’ workshops

Tasnim Baghdadi, Stephan Biermann, Isa Selçuk Dilmen, Annette Hinricher, Anna Mondain-Monval, JoAnn Osborne, Rolf Tiemann, Lina Zaher


Facilitators’ workshops

Ahmad Alajlan, Kai van Eikels, Andrew Maerkle, Hendrik Meyer, Tami Yanagisawa


Crew

Director of photography: Hikaru Fujii
Sound: Ryota Fujiguchi
Editor: Koki Tanaka
Camera operator: Shinya Aoyama
Boom operator: Kadoaki Izuta
Assistants: Lejla Aliev, Jakob Reuter
Workshop / filming coordination: Sophia Trollmann
Assistant: Alexandra Südkamp
Logistics: Jan Enste / jae kunst und medien
Textiles support: Kvadrat
Equipment rental and support: Kunstakademie Münster, Filmwerkstatt Münster e. V., Atelier Screen TV, ARTISTS’ GUILD, C-RENT, CAMCAR, cineOne
Subtitles: Eurotape – Media Services GmbH

 

Additional videos online during the exhibition period:

https://vimeopro.com/kktnk/ps7

 

 

via: https://www.skulptur-projekte.de/#/En/Projects/2017/844/TANAKA