アート・ユーザー・カンファレンス《未来芸術家列伝Ⅳ:オーダーと第Ⅰ次世界大戦》

 

アート・ユーザー・カンファレンス
《未来芸術家列伝Ⅳ:オーダーと第Ⅰ次世界大戦》

 

12.27, 2017 – 1.2, 2018

 

2017年12月27日(水)- 2018年1月2日(火)12:00 – 21:00
(12月31日12:00から1月1日21:00までは終日オープン)

 

展示会場にて下記のプログラムによるカンファレンスを開催します。 
*カンファレンス中は展示の一部が休止になります 
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12月27日(水)19:00 – 
オープニングレセプション

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12月28日(木)18:30 – 21:00 参加費:700円 
トークイベント《レディメイド/裏返された未来》

『マルセル・デュシャンとチェス』(2017, 平凡社)の著者、中尾拓哉氏を招いてのトークイベントを開催します。
レディメイドは、あらゆるものは既に生まれていて未来も既に完成していることを示している。その一方で、それは、あらゆるものの意味は変化していて過去も未だ完成していないことを示している。マルセル・デュシャンのレディ・メイドが提示するこうした時間概念を手がかりに、「未来」と「時間」についてディスカッションを行います。 

出演:中尾拓哉、橋本聡、松井勝正 

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12月31日(日)20:30 – 翌朝  
共通参加費:700円 ※途中参加・退出自由 

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ワークショップ《名前をつけかえす》 20:30 – 22:00 

未来では、今の自分の肉体を構成する物質はすべて、代謝によってトイレに流されているだろう。しかし名前は変わらず残り続け、墓碑に刻まれる。そういう意味では、人のアイデンティティは名前にこそあるとも言える。名付けられることによって私たちは社会と言語のシステムに組み込まれる。そして私たちは、親から呼ばれた名前を運命として引き受ける。自分の作者が親であるという事実は逃れられない運命のように思う。しかし、私たちはあらゆるものを自由に呼ぶことができる。マルセル・デュシャンは1919年、レオナルド・ダ・ヴィンチ『モナリザ』に髭を付け『L.H.O.O.Q.』と名付け、その後、何も手を加えていない『モナリザ』に『髭を剃られたL.H.O.O.Q.』と名付けた。第一次世界大戦は第二次世界大戦の原因となったが、第二次世界大戦が「第一次世界大戦」という名前の原因となった。 
自分の名前をつけた人に対して名前をつけ返すワークショップを行ないます。(終了時に軽食などが当たるくじ引き《Hat Luck》に参加頂けます) 

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シンポジウム《12月32日》 22:00 – 26:00 

1月1日午前1時は、12月31日25時でもあり、12月32日午前1時でもあるかもしれません。延ばされた 31日、延ばされた2017年。年の区切りをまたぎ、あるいは年を引き延ばし、「未来」や「時間」をテーマとした出演者それぞれの発表とディスカッションを行ないます。(休憩時に軽食などが当たるくじ引き《Hat Luck》に参加頂けます) 

出演:高嶋晋一、土方浦歌、橋本聡、松井勝正 ほか(随時更新) 

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《未定》 26:00 – 朝 

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詳細はこちらをご確認ください
https://anartuser.tumblr.com

 

 

この度、当ギャラリー作家の橋本聡もメンバーのアート・ユーザー・カンファレンスによる《未来芸術家列伝Ⅳ:オーダーと第Ⅰ次世界大戦》を開催します。

アート・ユーザー・カンファレンスは既存の作者、観賞者、批評家、キュレーターなどとは異なる「ユーザー」という立場から、既存のアートの在り方や概念を問う活動を展開しています。アート・ユーザー・カンファレンスの『ロバート・スミッソンなしのロバート・スミッソン』では、アース・ワークの先駆者、故ロバート・スミッソンを架空の「作者」として使用し、巨大なアースワーク(風の沢ミュージアム, 宮城)を実現させて話題となりました。

本展ではマルセル・デュシャンの「レディメイド」が、実はタイムカプセルであったことが明かされ、未来の作品として完成させられます。それは、デュシャンの神話化やバブル化した解釈のゲームに加担する行為ではなく、むしろ、そのバブルを剥ぎ、身の丈にあった衣服を仕立て、完成(終わり)へ至らせる行為であります。そこから反転し現れる「第一次世界大戦」と共にレディメイドならぬオーダーメイドの転回が展示されます。

「2007年より予告されてきた『未来芸術家列伝Ⅳ』は予告通り2017年に開催されるはずだ。しかしそれはもっと以前から予言されていたとも言える。ちょうど100年前に起こった2つの事件、帝政ロシアを終わらせ、初の社会主義国を建国した「ロシア革命」と、近代美術を終わらせ、現代美術を打ち立てたマルセル・デュシャンらの《泉》(「リチャード・マット事件」)によって未来は既に定められていた。2017年は、現代美術が終わり、未来芸術家列伝が始まる年となる。」

短い会期となりますので、お見逃しないよう、是非この機会にお越しください。

 

 

助成:公益財団法人東京都歴史文化財団アーツカウンシル東京


An Art User Conference(「未来芸術家列伝Ⅳ」):

松井勝正、土方浦歌、橋本聡、知念藍(No Collective)、高嶋晋一、ユーザーの声 ほか

 

An Art User Conference

2014年設立。主な活動として『未来芸術家列伝』、『Robert Smithson without Robert Smithson 』などがある。

「アート・ユーザー・カンファレンスは、「芸術なしの芸術」、つまり既存の芸術という制度の外で生じる芸術を探求します。アーティスト、観客、批評家、キュレーター、コレクター、美術館などが各々の役を演じ分け、「芸術」という物語を支えています。物象化された作品、「創造性」という神話、「公共性」という幻想がその舞台装置を作り上げます。アート・ユーザーはそうした芸術の物語には参加しません。アート・ユーザーは芸術を「使用」します。使用は、物象化された作品を解体し、創造の神話をレディ・メイドの時間に墜落させ、公共性という幻想を消耗させることでしょう。使用の目的は芸術を使い切ることにあります。使い切ることは芸術を倹約しながら死に向かわせます。」