
集った人で映画を選び、映画館に入場します。 集った人でDVDを選び、青山目黒に移動し上映します。 屋外において「太陽」、「月」の姿も光も至らず、「目」もきかない「闇」を車で移動しながら探します。解散はひとまず参加者の終電に間に合う時間に近郊の駅にて。参加人数に限りがありますので事前にお申込みください。 新年の最初の企画として、橋本聡をご紹介致します。『私はレオナルド・ダ・ヴィンチでした。魂を売ります。天国を売ります。』(2013)以来、4年ぶりの弊ギャラリーでの個展になります。 橋本はパフォーマンスや行為、あるいは指示書を設置し行動を促すアプローチを通して、観客を引き込み、私達の在り方を問い質す作品を数多く制作してきました。ときに無理難題を含む指示や既存のボーダーを越境する行為は私達の存在の根底に問いかけます。私達は誰かや何かに根底的な影響を受けつつも、自分で考えているかの様に思考し話し行動します。橋本はその影を見つけると誘拐し、何かの受け売りであるあなたに寄り添い、問いかけるのです。私はあなたを人質に取った、保護者は元のあなた自身なのです、と。 「ギャラリーに置かれた体重計はあなたの視覚の対象ではない。逆に、それはあなたの質量を対象化する。地球は5.972 ×10の24乗 kgの質量を持っている。その数値にはあなたの体重も含まれている。しかし、その割合はとても少ない。この世界は、ほぼ100%あなた以外のものからなる。しかし、私達が世界を捉える方法はもっと複雑だ。」(『橋本聡:全てと他』松井勝正) 本展では、昨年6月に現地で大きな反響を得たLISTE 21(バーゼル)での個展形式での展示『全てと他』と同10月の『転がる石、オリンピック、太陽、月、冷たい水』(TERATOTERA-Involve, 東京)にて発表した作品を軸に立体やテキスト、パフォーマンスなど数十点に及ぶ作品で構成する『世界三大丸いもの:太陽、月、目』を開催いたします。 《円グラフ:全てと他》は円グラフの形式を用いて世界の区分の有り様を超越的に現した作品です。「世界の人口1%の総資産」とその残りの「世界の人口99%の総資産」はほぼ同じ額になるという経済格差を示す統計データがあります。その円グラフの隣に「地球から見た月の大きさ」と「地球から見た太陽の大きさ」がほぼ同じ大きさに見えることを示す円グラフが並びます。しかしながら実際は太陽は月の400倍程の大きさ(質量は2700万倍程)があります。経済のデータと天文学のデータと言ったように、ここでは通常は連関されない内容が対比させられます。さらに隣の組では円グラフでは扱われないような概念的内容が図式化され、対比の連鎖が個々の区分にひび割れをおこします。 本展では2013年の国東半島及び三浦梅園のリサーチを経てインターネット上の展覧会『国東現像』(ディレクション:遠藤水城)にて発表された《円グラフ:全てと他》をアルミ製でプレート化したものを展示いたします。 会期中は「MOTアニュアル2016:キセイノセイキ」(東京都現代美術館)などにおいて展開された橋本の『抽象直接行動』の枠組みにも重なり、また他のテーマに跨がる形で複数のアクションやイベントが毎週開催の予定です。詳細はギャラリーホームページやSNSにて随時情報を発信していく予定です。 1977年生まれ。主な発表に「行けない、来てください」(ARCUS, 茨城, 2010)、グループ展「Omnilogue: JOURNEY TO THE WEST」(Lalit Kara Academy, ニューデリー, 2012)、「独断と偏見:観客を分けます」(国立新美術館, 東京 2012)、「偽名」(「14の夕べ」東京国立近代美術館, 東京, 2012)、「私はレオナルド・ダ・ヴィンチでした。魂を売ります。天国を売ります。」(青山|目黒, 東京, 2013)、「国家、骰子、指示、」(Daiwa Foundation, ロンドン,2014)、「MOTアニュアル2016 キセイノセイキ」(東京都現代美術館, 2016)、「全てと他」(LISTE, バーゼル, 2016)、「Fw: 国外(日本 - マレーシア)」(国際空港, 飛行機, マレーシアなど, 2016)など。個人での活動のほか、An Art User Conference、基礎芸術|Contemporary Art Think-tank、ARTISTS' GUILDなど、アーティストや批評家たちと恊働したグループ活動を積極的に行っている。 世界三大丸いもの(日、月、目)、世界三大宗教(キリスト教、イスラム教、仏教)、イスタンブール五輪2020、東京五輪1964、ゲバルト棒、歴代アメリカ大統領、クリントン、トランプ、削られたドル(ワシントン)とスイスフラン(ジャコメッティ)、An Egg、An Apple(Tell, Newton, Cinderella)、信号、赤、蛾、黒、マレーヴィチ「黒い正方形」、モリス「Untitled (Box for Standing) 」、Telephone Box、並ぶ2つの時計、円グラフ:全てと他、皆既日食、眼球とブラックホールのサイズ、他。会場では冷たい水やブラックコーヒーを飲め、眠ることもできます。 降水確率100%の天気予報が外れる可能性は何%だろうか。未来が予測可能であることは我々の文化の起源と密接に繋がっている。ジェーン・ハリソンは表象や観念の起源に周期的な時間の認識があることを指摘している。過去に起こった出来事が一度限りの過ぎ去ったものではなく、未来にも再び起こるだろうと予測される時、我々の行為は未来と過去の対象へ向けて引き伸ばされ、抽象化された表象の世界が形成されていく。つまり我々の表象文化は過去が未来に回帰する時間を前提としているのだ。だから我々の論理学にほとんど時間の概念がないという事実は、論理の不完全性を意味しているというよりも、おそらくその根源的な動機を示している。我々の文化は永遠不変の世界への欲望に貫かれているのだ。しかしそのアザー・サイドでは不可逆的な時間が進行し、予測していなかった未来が必ず訪れる。確率や統計の空間はまず想定されうる全事象を全体=Ωとして設定し、それを分割することで成り立っている。しかしその想定された全体を逃れる「他」は必ず存在する。時間は常に情報エントロピーを増大させていくのだ。 橋本聡はこの文化的世界の構造のひび割れから「他」の領域を志向する。彼の二つ組の円グラフは二つにひび割れた全体性を持ち、その裂け目から「全て」の「他」を指し示す。彼はサイコロのモチーフを好んで用いるがそれは1から6まで均等に割り振られた確率空間を表現しているわけではない。例えば《想像(イカサマ)骰子》では、落下し続ける「不確定骰子」や出目が暗くて見えない「(暗くて)不確定骰子」など12個の可能性が示されている。閉じた確率空間の背後に、イカサマや不慮の出来事を含めた他の可能世界が思考されているのだ。




































