8 Mar – 6 Apr 2025
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青山|目黒では、森田浩彰の新作インスタレーションによる個展「タイム / クエイク (Time / Quake)」を開催いたします。
森田浩彰(1973 年生まれ)は、日々の生活に埋もれる事象や現象を掘り起こし、それらを素材として新たな文法で再構成するアーティストです。
2011 年の個展「タイム クエイク : Time Quake」では、1995年の阪神・淡路大震災の経験を抽象化し、24 本の蛍光灯をグリッド状に天井から吊るすインスタレーションを発表しました。この作品は、災害の本質を問い直す試みとして注目を集めました。
日本は地震の多い国として知られています。気象庁のデータによると、毎年平均1,500 回以上の有感地震が観測されています。中でも2011 年3 月11 日の東日本大震災は、津波や原発事故と相まって、社会や個人に深い爪痕を残しました。その後も地震は絶え間なく発生し、これらは日常の一部として捉えられることもあれば、特定の地域や状況において非日常的な衝撃として記憶されることもあります。
地震の影響は、地理的な位置や家庭の状況、経済的な事情、情報へのアクセスによって受け止め方が大きく異なります。
本展では、2011 年3 月11 日から2024 年12 月までの13 年間にわたり日本で発生したマグニチュード5以上の地震を、地域や個別の文脈から切り離し、「1 日(24 時間)」に圧縮した形で体験できるインスタレーションを構成します。
展示空間では、天井から吊るされたデジタル時計型の照明装置が地震の発生時刻に応じた揺れを再現します。また、照明とともに、震源地や日時、規模を示す地震リスト、個別の地震を切文字サインとして展示し、それぞれの地震の記録を物質的かつ象徴的に表現します。これにより、鑑賞者は地震という現象を多層的に体験できる場が提供されます。
本展「タイム / クエイク」では、地震という自然現象そのものだけでなく、日常に突如入り込んでくる
天災が持つ意味を、倫理的な介入なしに素の事象として捉え直します。
この機会にぜひ、13 年間の地震記録を再構成した「タイム / クエイク」の空間をお訪ねください。
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森田 浩彰 Hiroaki Morita
1973 年福井県生まれ。1998 年 B ゼミスクーリングシステム修了、2002 年ロンドン大学ゴールドスミス
カレッジ大学院ファインアート修士課程修了。
主な個展に「タイム クエイク : Time Quake」(青山|目黒, 2011)、「From Something to Something
Else」(青山|目黒,2016)、「End of Light」(See Saw gallery + hibit, 2019)。
グループ展では「日常の喜び」(水戸芸術館, 2008)、「この世界とのつながりかた」(ボーダレス・
アートミュージアム NO-MA, 近江八幡市、2009)、「MOT アニュアル 2012 風が吹けば桶屋が儲かる」
(東京都現代美術館, 2012)、「ジャンプ -アートにみる遊びの世界-」(十和田市現代美術館、青森,
2015)、「引込線/放射線」(第 19 北斗ビル+旧所沢幼稚園, 2019)、「部屋と庭 隔たりの形式」(武
蔵野美術大学美術館、2020)、「食と現代美術 Part9」(BankART Station、横浜、2023)などに参加。
また、国外でも「Mono No Aware: The Beauty of Things」(ロシア・エルミタージュ美術館, サンクト・
ペテルスブルグ 2013)、「Triple Point of Matter」(Fondation d’art Fiminco, パリ, 2017)などがある。
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