折元 立身: キャリング・シリーズから

orimoto_Carryingseries

Clock Man, Tokyo, Aug. 16, 1991, digital print, 900 x 600 mm

 

折元 立身 / キャリング・シリーズから

 

7.22 – 8.26, 2017

 

2017年7月22日(土)-8月26日(土)
水-土: 12:00-19:00
日:12:00-18:00
会期中定休日: 月・火・祝日
夏季休暇: 8月13日(日)-22日(火)
パフォーマンス: 7月22日(土) 18:00-
オープニング・パーティー: 7月22日(土) 19:00-21:00

 

7月31日(月) 午後8時 / 再放送8月7日(月) 午後1時05分
NHK「ハートネットTV」ポータル ブレイクスルー File.83
アートママ -アルツハイマー病の母と現代美術家の息子- (仮) 放映決定
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Installation view, Tatsumi ORIMOTO  From “Carrying series”

 
 

この度、川崎が誇る現代美術作家である、スター・折元立身(b.1946/ kawasaki)の弊廊では悦ばしくも4回目の個展を開催しますので、ご案内差し上げます。
 
バゲットで顔を覆い尽くした「パン人間」や、お母様である男代さんとの共同作業である「アート・ママ」などの代表作で知られていたはずの折元ですが、昨年の川崎市市民ミュージアムでの近作展「ART x LIFE」での、奔放で親しみに溢れたドローイング、立体、印刷物、様々なパフォーマンスのドキュメントなど、圧倒的な量と質と多様さで、みんながとっくに知っていると思っていたオリモト・タツミに改めて、はじめて、驚きをもって遭遇したのでした。
 
60年代末から西海岸、東海岸への留学と滞在、後期フルクサスへの参加を経て、70年代末に帰国、施工会社経営者として多忙な日々を送りながら、どんな時も常に制作を絶やさず、バブル崩壊と同時に会社を畳み、あっという間に制作と発表に活動を移し、あくまでも川崎でお母様との生活を基盤としながら、活発に主にヨーロッパで制作発表を進めはじめます。
 
今回発表する「キャリング」シリーズは、その渡欧時期から折元が各地に旅したり滞在制作をした時々に、「タイヤを担ぐ」、「バスタブを引っ張って歩く」、「繋いだたくさんの服を引っ張って歩く」、「顔で時計を担ぐ」、「煙突みたいな彫刻を本物の煙突の側で担ぐ」「フランスパンを積んだ棺みたいな箱を担ぐ」など、それぞれの土地で縁あって入手出来た品や生物、状況を素材に試みた実践の数々です。
 
2014年の青山目黒での初の個展「子豚をおんぶする」は、その発表時の現在進行形であり、「パン人間」はフルクサス・マナーに則って正装した男が、「パンを顔で担いだ」版でもあります。
その「顔でパンを担ぐ」という営みは、名付けて「パン人間」というキャラクターとしてだけで捉えてしまうと、そこで想像が固定されてしまいますが、なにか得体の知れない堂々とした、けれども「私たちに必要な」示唆の様にも見えるのです。
 
夏の暑い盛り、皆様にお会いできることを楽しみにしております。
ご足労いただきますが、是非お出かけください。    
                                                                                                                      
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(新刊のご案内)
 
「折元立身 生きるアート」2016年 川崎市市民ミュージアム 個展記録集
撮影、年譜:元田典利
デザイン:小野寺健介(odder or mate)
制作・発行:アートママ ファンデーション
判型:250×180mm、カラー336ページ
予価:3,000円

 

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