佐々木 健 参加:不純物と免疫(トーキョーアーツアンドスペース本郷、東京)

佐々木健  無題(採掘場)2017, Oil on canvas, 116.7 × 91.0 cm

 

佐々木 健 参加:不純物と免疫(トーキョーアーツアンドスペース本郷、東京)

 

10.14 – 11.26

 

OPEN SITE 2017–2018

 
 
会場:トーキョーアーツアンドスペース本郷
会期:2017.10.14 – 11.26
開場時間:11:00 – 19:00(最終入場は閉館の30分前まで)
入場料無料 / 月曜休館

More info: http://impurityimmunity.jp/


アクセス:
トーキョーアーツアンドスペース本郷
(旧トーキョーワンダーサイト本郷)
東京都文京区本郷2-4-16

http://www.tokyo-ws.org
http://www.tokyoartsandspace.jp
 
 
アーティスト:
大和田俊
佐々木健
谷中佑輔
仲本拡史
百頭たけし
迎英里子

 

主催:公益財団法人東京都歴史文化財団 東京都現代美術館育成支援課
協賛:アイ・オー・データ機器、ERIKA MATSUSHIMA、gigei10
協力:青山|目黒、スタジオ常世、This and That、tochka|特火点、PARADISE AIR

 

不純物と免疫実行委員会
キュレーター:長谷川新
アシスタント・キュレーター:若山満大
ロゴ原案:たかくらかずき
デザイン:熊谷篤史
インストーラー:土方大
アシスタント・インストーラー:西尾祐馬
エンジニア:久保田健二
翻訳:西田雅希
出版:増田千恵

 

 

ステートメント

不純物と免疫

長谷川新 本展キュレーター

 

「OPENSITE※1 2017-2018」に採択された「不純物と免疫」展は、展覧会という形式を通して時代と向き合うプロジェクトである。参加作家は大和田俊、佐々木健、谷中佑輔、仲本拡史、百頭たけし、迎英里子の6名で、本展はトーキョーアーツアンドスペース本郷の会期後、沖縄に巡回する。ますます複雑化し混迷を極めるかに思える現代社会において「共存」の技法を模索するため、本展では「不純物 impurity」と「免疫 immunity」という概念を導入する。自分たちの固有性や純粋性を過度に守ろうとする結果、かえって自分たちを死滅させてしまう文明のありようを、イタリアの哲学者ロベルト・エスポジト※2は「免疫」という概念を用いて活写している。「9.11」やナチスのそれは、まさに「自己免疫化」の徹底として説明されうる。しかし、どこまで徹底しても完全に純粋な存在などあり得ないために、あらゆるものは不純物として何らかの免疫システムに抵触しうる。「共存」とは不純物と免疫の絶えざる動的な緊張関係に他ならない。本展の作家たちの実践は、自己免疫化した時代において、なおも「不純物」たろうとする態度の形式なのである。

 

※1  OPENSITE観る人にも、表現する人にもオープンでクリエイティブな創造の場(=サイト)を目指し、全ての表現に門戸を開いたトーキョーワンダーサイト(TWS)の企画公募プログラム。

※2  ロベルト・エスポジト1950年生まれ。生と政治について鋭い分析を行っている哲学者。代表的な著作に、『コムニタス』(1998)、『イムニタス』(2002)、『ビオス』(2004)の三部作や(いずれも未邦訳)、『三人称の哲学 生の政治と非人称の思想』(2007、邦訳2011)、『外から ヨーロッパの哲学』(2017、未邦訳)などがある。